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「希望」を探し、再生する生き方へ

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「希望」について、あなたは想う時ありますか?


最近の私=立野は、「希望」と「幸福」という2つのキーワードが、気にかかっています。
「希望」も「幸福」の感情も、少しも無い毎日だったら、やはり生きづらい。
とはいえ、あらためて振り返ると……
特に「希望」というキーワードは、よくわからない感じもありますね。


そんな所から、玄田有史著「希望のつくり方」岩波新書を、昨日の私は読んでいました。
この本は、私達にとって「希望」とは何かーーを洞察するヒントを、
さまざまに与えてくれるようです。
今日はこの本をご紹介させて下さい。

玄田有史さんは2005年度から、仲間達と「希望の社会科学」の研究を続けてきたそうです。

「希望を単なる個人の心の持ちようとして考えるだけではなく、
個人を取り巻く社会のありようと希望の関係に注目してきました」
(本書 pⅲ)


まず、希望を心理学的にではなく、経済学や社会学、社会科学の観点から、
客観的にとらえるというのが、興味深いです。

もちろん、「希望を持てばイイですよ!」と単純に言えないデリケートな面も、実際にはあります。
「希望」を持てれば……毎日を生きやすくなるでしょう。
とはいえ現代社会では、「『希望』なんて想像しようがない」という状況におられる方々も、
少なく無いですからね。

例えば私=立野自身の20歳、30歳の頃を振り返っても…、
自分に対する希望や、社会に対する希望も、
内側ではまったく枯渇してすごしていました。


むしろ現在の自分の方が、「楽観的」になれているようです。
朝起きて、「ただ、生きている」ことに、
感謝を感じつつ目覚める時もあったりします。


何があればひとは……、「希望の光」を感じられるのでしょうか?

希望を生み出す4つの柱

本書で玄田有史さんは、「希望」を成り立たせる4つの柱を提唱しています。
(チョットだけわかりやすいように……立野の視点から調整して、まとめます)

(1)ウイッシュ wish:強い願い、気持ち、意図、決意
 オリンピック等でアスリートが「最後は気持ちの問題。気持ちで勝つか、負けるかです」
とインタビューで答えたりする、こうした気持ち、願いを持てるか。


(2)サムシング something:価値観、存在意義
 「何とかしたい!」という、自分にとって大切な何か。


(3)カム・トゥルー come true:実現に向かうステップ
 希望を実現する方向に近づくための道筋、段取り。
 可能性を高めるための学習や、情報収集。


(4)アクション action:行動
 勇気を持って、実際に行動を起こすこと。

なるほど〜、
この4つの柱を少しづつでも持てれば、
ひとの内面で「希望」が自然に湧いて来そうですね。
あるいは、「4つの柱は、自分にとって今、どんなことがある?」と振り返れば、
「希望とつながる自分」を、生み出せる可能性がある。

私の観点では、これはほとんどコーチングのアプローチでもあります。
この「4つの柱」を見直すことが、
いわば、希望のコーチングにつながっているかもしれない。

「希望」は探し、出会うことにこそ意味がある

本書「希望のつくり方」の内容を一段と味わい深くしているのは、
さらに以下のような玄田有史さんの洞察があるからです。


「希望とは何かを真剣に考えれば考えるほど、すぐには答えのみつからないものです。
(略)
希望とは探し続けるものであり、模索のプロセスそのものです。
そしてみつけたはずの希望も、多くは失望に変わり、
また新しい希望を求めた旅が始まるのです。」
(本書 p128)

「希望」は、簡単にはみつからないかもしれない。
それでもタフに探し続けることに、意味があるのですね。

「だとすれば、希望にはどうすれば出会うことができるのでしょうか。
(略)
(政治思想史の専門家である宇野重規さんは)
希望は『あえて迂回し、距離を取ること』によって出会えるもの、と述べました。

 つまづいたり、じっと待ってみたり、
 ときにはあえて遅れてみる。
(略)
 自分自身もまだ気づいていない『何か』と出会うためには、
 そんな無駄にみえるものにあえて挑むことが、
 むしろ積極的な行為となるのです。」
(本書 p128)

最短距離を行こうとするよりも……、
あえて「ムダ」を受け入れる知恵も、あるようです。
「迂回し、距離を取ること」にも、
希望に出会う回路はあるかもしれません。

おおらかに視野を広げつつ、「ムダ」への受容性も持って……、
「希望」に出会う旅を始めてみましょうか!

「希望」を洞察し・探求することは、簡単ではないですが……、
あなたの生き方や人生を、
きっと数段深く、色鮮やかな世界にするでしょう。



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