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これからの未来を生きるための、リアルなイメージ・トレーニングとして2012年3月上弦の月号

3・11大震災と原発事故以降の、これからの時代をどう生きるか??
ーー具体的に構想する本や小説と、最近いくつも私は出会いました。


2011年に起こったことは、
沢山の人達の生き方を色々な場面で、たしかに変えたのですね。
今回は、そうした3冊の「お薦め本」をご紹介させて下さい。
あなたもこれからの未来をイメージ・トレーニングするのに、
お役に立つでしょう!

  • 「百姓レボリューション」柏宮幸明著 Zen・クエスト刊

2012年12月22日に東京湾を震源とする大地震が発生して……
主人公の夫婦が東京を脱出して、栃木のエコビレッジで半農半Xの暮らしをする
ーーというストーリーの小説。
著者は、実際に日本人としては早くからフィンドホーン等のエコビレッジに滞在し、
現在も滋賀県で田舎暮らしをしているので、細かい描写に説得力があります。

  • 「大変動時代を生き抜く 完全サバイバル・マニュアル2」柏宮幸明著 Zen・クエスト刊
    同じ著者の、こちらは移住先の見つけ方から、食やエネルギーの自給、放射能対策等々、
    震災後の社会を生き抜くための、具体的な情報を網羅したマニュアルです。

  • 「3・12の思想」矢部史郎著 以文社刊
    3月12日、原子炉建屋の爆発のニュースを見て、小さな娘を連れて東京から脱出・疎開した、
    社会思想家・哲学者の矢部氏のロング・インタビューです。

拡散した放射性物質の影響は、実質的にこれから数十年以上に渡るのですから、
これは3月12日から始まる放射能公害事件であるとーー
矢部氏は「3・11」以上に「3・12」の重たさをアピールしています。

「関係性」「コミュニケーション」が3・11以降の世界でも重要になる

3冊の中でも、私は特に「百姓レボリューション」にひじょうに驚かされました!
小説としては、東京だけでなくサンフランシスコでも大地震が起こり、
日米同時に経済が崩壊します。
「お金」がまったく価値を持たない状況です。


そんな中で、国立に住む翻訳業で小説家の主人公夫婦は震災の後、
栃木に作られた「百姓ビレッジ」に入ります。
こうしたエコビレッジ(持続可能な、農業を中心とした共同体)は、
200名から最大300名が維持できる適正規模なのですが、
そこに沢山の避難者がおしかけて500名にもなってしまう。

そこで1年間かけて自然農や有機農業の研修をして、
避難者から半数が選ばれて、
「百姓ビレッジ」に残れるということになります。
そんな農業体験の1年間も、丁寧に描写されています。

ここでひじょうに興味深いことは、
「関係性」「コミュニケーション」が、「百姓ビレッジ」にとって大きな課題としてとりあげられ、
もう1人の主人公=「百姓ビレッジ」の中心人物によって、
実際に「個人セッション(心理的なワーク)」が行われることです。

つまり、「農的くらし」や「エネルギー自給」と同じくらいに、
「関係性」や「コミュニケーション」つまりメンタル面が、
共同体やエコビレッジ自体が存続するためにも、重要な課題となるのです。

そして最後の場面で、「百姓ビレッジ」の中心人物はこんなスピーチをしますーー

「個人セッションも受け、みんな自分のテーマと向き合い、
改善に努めてくれた、ありがとう
(略)
実のところそうしたパターンは
(立野注・人それぞれの心理・感情・行動等パターン、傾向)
すべて長所になりうる。
すべてはバランスであり、
それが生かせる場とそうでない場を自分が意識的に見極められることだ。

人はだれしも、独特な心理・感情・行動等のパターンや「クセ」を持っています。
これは心理的なワークやセッションによって、
その方がより生き易い方向へ改善された方ができれば良いでしょうし、
同時に、
「その人らしさ」が活かされる「場」や環境があったら良い
ーーということですね。

さらに言えば、
3・11以降を生きのびる新しいライフ・スタイルを考える時、
人間の「関係性」や「コミュニケーション」が、小説の中の「百姓ビレッジ」のように、共同創造志向に変わって行くのかもしれない。
時代の流れは、「共同創造志向」になって行くのかもしれないです。



  • 「3・12の思想」
( )




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